FileMaker Pro 18 Advanced の新機能【名前をつけてXMLとして保存】
2019年06月06日 10:00 AM
FileMaker 18
FileMaker Pro 18 Advancedでは開いているファイルのスキーマ、レイアウト、スクリプトの内容をXMLとして保存ができるようになりました。
この機能を使用するには、環境設定の「高度なツールを使用する」をチェックする必要があります。
(メニューバー「編集」→「環境設定」)
設定を適用するにはFileMaker Pro Advancedを再起動してください。詳しくは「FileMaker Pro 17 AdvancedのAdvanced(高度なツール)の機能が利用できない?」の記事をご覧ください。
(https://ywc.xbiz.jp/filemaker/?p=4906)
メニューバーの「ツール」→「名前を付けてXMLとして保存」を選択してみます。
次のようなXMLが作成されました。
内容を確認すると
・テーブル、フィールドの構造
・テーマのCSS
・スタイル
・レイアウト
・セキュリティ
・アクセス権
・アカウント
・スクリプト
などの情報がXMLとして保存されています。
このXMLファイルは開発中ファイルのフィールド、レイアウト、スクリプト等の変更箇所の確認等に使用することができます。
例えば、Sampleという何もないレイアウトがあります。
この状態でSampleOLD.xmlという名称でXMLを保存します。
次にSampleレイアウトにフィールドラベルを3つ、フィールド3つを追加し、SampleNEW.xmlという名称でXMLを保存します。
この2つのXMLをテキストを比較するツールで確認してみます。
(今回はWinMergeを使用しました)
左側が修正前、右側がフィールド追加の修正後です。
修正後の黄色く表示された部分が、新たに追加した6つのレイアウトオブジェクト(フィールドラベル3つ、フィールド3つ)の情報です。
同じ処理を、スクリプトステップ「名前を付けてXMLとして保存」でも実行することができます。このスクリプトの実行には完全アクセス権が必要となります。また、FileMaker Pro Advancedのみで実行可能で、FileMaker Cloud などの他製品との互換性はありません。
このXMLの構造は、既存の機能であるXML形式のデータベースデザインレポートと似ていますが、比較してみるとフィールドの定義部分だけでも違った箇所がかなりありました。
以下は<FieldCatalog>のタグ部分だけを取り出した比較です。
左は新機能「名前をつけてXMLとして保存」で作成したもの、右はデータべースデザインレポートで作成したものです。
例えばフィールドのコメントは、新機能のXMLでは<Field>タグの要素ですが、データベースデザインレポートでは<Comment>タグとして別になっています。
なお、この機能はプレビューとしての機能となっており、次バージョンでは変更される可能性があるため現行の運用中システムでの使用は想定されていません。
現状では変更箇所の確認にとどめておいたほうがよさそうです。
一番最初のタグを見ると<FMDynamicTemplate>であることから、将来バージョンのDynamicTemplateへの布石のようですね。