【在宅勤務内情調査!】部下の管理や評価はどうしてる?社長は在宅勤務についてどう考える?
2020年07月16日 10:59 AM
その他
新型コロナウイルス感染拡大の防止のため、弊社では3月の最終週から全員在宅勤務となりました。
もともとは1回目の緊急事態宣言の期間中のみということになっていましたが、その後も在宅勤務を続けることが懸命という判断となり、在宅勤務がメインの勤務形態となりました。
7月現在、丸々3か月が経過し、各メンバーも在宅勤務の働き方が定着しつつあります。
◇今ブログの狙い
テレワーク導入率は2,000人以上の大企業では46.1%とおよそ2社に1社の割合である一方、従業員300人以下の中小企業では14.5%と大きな差があります。(出典:総務省「令和元年度版 情報通信白書」)
弊社は20人規模の会社です。
同じような中小企業の方で「在宅勤務を始めたい!でも懸念点が山ほどあるし、何から手を付けていいかわからない!」
そう思っていらっしゃる方々の参考に少しでもなるように、弊社の在宅勤務をご紹介したいと思います。
全5弾でお届けします。
第1弾:部下の管理や評価はどうする?社長は在宅勤務についてどう考える?←今回はここです。
第2弾:在宅勤務で営業ってできるの?お客様とのやり取り・商談について
第4弾:たった2週間で在宅インフラを構築?!導入する際にまず最初に考えるべきことは?
第5弾:経理の業務はClaris FileMaker をフル活用
※内容、タイトルは予告なく変更する可能性があります。
第1弾である今日は以下の2つについてお届けします。
・勤怠管理と部下の業務の管理について
・社長に聞く「経営者として考える在宅勤務」「部下の管理・評価について」
◇勤怠管理と部下の業務の管理について
在宅勤務になる前は交通系ICカードと非接触ICカードリーダを使って出退勤を管理し、残業申請は紙で申請を行っていました。
1日の業務確認はスケジュールベースと口頭確認でした。それが在宅勤務になり、以下のような仕組みに変わりました。
・出勤
始業時刻の少し前に、サイボウズOfficeのメッセージで1日の業務内容を上司とスタッフに送信。このメッセージが出勤の証になります。
始業開始時刻と同時に部門ごとにMicrosoftのTeams のWeb会議で朝礼をし、部門長からの連絡とメンバーそれぞれの業務の確認を行います。
・退勤・残業申請
終業時刻の30分前に部門ごとにTeamsで夕礼をして、1日の業務報告を行います。
業務終了時には、朝作成したメッセージで、1日の作業内容を記載し送信し、部門長が承認をします。これが退勤の証になります。
残業をする場合は夕礼前に部門長に申請をします。残業時間の申請も同様にメッセージに記載します。申請の際に上長の承認、また残業実施後に申請して承認という形をとっています。
勤怠と業務の管理の仕組みは整いましたが、経営者にとっての懸念点としてはほんの一部にすぎません。
社長に在宅勤務について考えていたこと、そして今考えていることを聞きました。
◇社長に聞く「経営者として考える在宅勤務」「部下の管理・評価について」
―多くの中小企業が在宅勤務に踏み込めない一番の理由は何だと思いますか?
1つは、経営者としてはどうしても性悪説で物事を見ないといけないこと。メンバーをいくら信用していると言っても慎重にならざるを得ません。
例えばですけど、オフィスに100万円をポンと置いといてそれが盗まれたとします。
だれが悪いかと言えばそれは社員ではなく、きちんと管理していなかった経営者が悪いということになります。
それと同じで、最悪の事態を踏まえた上で管理をしていく必要があります。
メンバーによってもちろん考え方も生活も違いますから、全員が基準をそろえて働けるように、ある程度ルールを決めていないといけないのです。
ルールを決めるのは簡単なことではないですよね。
2つ目はインフラ面ではないでしょうか。
通信環境、個人PCを利用する場合はそのスペック、キーボードの操作など、リモートワークならではの問題が発生します。各メンバーがいくら頑張っても生産性に影響が出てしまうのは当然のことです。
インフラ環境の中でも一番の懸念点は通信環境ですが、そこはアドミニストレーター部門の3人が頑張ってくれました。
(ここのお話は第4弾で詳しくご紹介します)
―在宅勤務に懸念点や不安をもっていたとのことですが、それでも在宅勤務に踏み切れた理由は何でしょうか?
クリエイター(エンジニア)の一人が数年前から在宅勤務を実施していたこと、アドミニストレーターの一人が育児と仕事を両立するために週3程度在宅勤務を行っていたことから、なんとなく全員在宅もできるのでないかという感覚がありました。
―在宅勤務が始まり、次の大きな課題は部下の管理や評価の方法だと思いますが、全員が出社していたときと今でどう変わりましたか?
1つ目は部下同士のコミュニケーションが見えにくくなったことですね。
今までは部門の上司と部下の報告書のやり取りを見て、コミュニケーションロスしていると分かった時は、直接様子を見に行って実際の雰囲気に応じてフォローをすることができましたけど、今はそれができません。
メンバーから見ると余計な口出しと思われていると思いますが(笑)
基本的に、部下の管理は各部門長に任せるようにしています。
各部門長が試行錯誤しながらコミュニケ―ションを取り、部下の管理をしているので、
実際のところ私自身はそんなに心配はしていません。
2つ目は業務のプロセスが見えないので結果でしか評価できなくなったことです。
さぼっていても頑張っていても見えるものは結果のみです。プロセスを評価してあげられないというのが厳しい点です。
だから、メンバーには報告書なりTeamsなりで途中経過の情報を積極的に発信してほしいと思っています。
自分が必要だと思うよりも3割増しで情報を発信するようにとの呼びかけを徹底しています。
―在宅勤務にしてよかった点はありますか?
在宅勤務にしてよかった点かというと少し違いますが、メンバー全員が、在宅勤務になっても一生懸命仕事をやっていること、そして大きなトラブルなく今までできていることが良かったことです。
メンバーが頑張ってくれているお陰だと思っています。
オンラインセミナーの仕組みを確立し、4月、5月、6月のセミナーを無事に実施できたこともよかったことの一つです。
―まだまだ改善していかないといけないところはありますか?
細かい点は山ほどあります。
あえて挙げるならばTeamsという便利なツールを利用できるようになった反面、メインでずっと使ってきたサイボウズとTeams利用の切り分け、つまり、2つのツールの情報整備はまだまだ課題です。
あとは契約書や申込書、請求書のやり取りですね。そこでクラウドサインの導入に踏み切りました。
今はまだ契約書だけですが、近いうちに申込書や請求書などをクラウドサインに移行していき、徐々にペーパーレス化していきたいです。
ゆくゆくはClaris Connect を使って社内の基幹システムであるClaris FileMaker の販売管理・顧客管理と連携をさせる予定です。
今回のインタビュイー:弊社社長 有城博昭
◇インタビューを終えて
一社員としては、とてもスムーズに全員在宅勤務が実施された印象でした。それは、在宅勤務の立役者が既に数人いたことが大きな理由でした。
在宅勤務を実施する際は、数人ずつ、さらに週に数回といったようにスモールスタートをし、課題を少しずつ解決していくことで、スムーズな導入ができるかもしれません。
メンバー同士のやり取りについてですが、文字でのやり取りが当然多くなりました。直接話すときと比べると当然伝わる情報量は限られてしまうため、同じような感覚でやってしまうと当然コミュニケーションロスが発生し、意思の疎通が上手くいかなくなってしまいます。
そうならないためにも、相手に誤解のないように伝える工夫や、3割増しで情報を発信するといった意識はとても大事だと身に染みて感じています。
在宅勤務の良かった点についてですが、オンラインセミナーの仕組みが確立したこと、ペーパーレス化の仕組み作りが急速に進んでいることは、出社スタイルのままではなかなか実現されなかったこと、在宅勤務になったからこそ生まれたプラスの変化だと思いました。
次回は第2弾「在宅勤務で営業職ってできるの?お客様とのやり取り・商談について」をご紹介します。
最後まで読んでいただきありがとうございました!