【在宅勤務内情調査】経理の業務はClaris FileMaker をフル活用
2020年08月17日 10:00 AM
その他
イエスウィキャン(YWC)の在宅勤務をご紹介する、内情調査ブログ第5弾!このシリーズは今回で最後となります。
第5弾の今回はスタッフ部門の業務についてご紹介します。
YWCでのスタッフ部門は「総務」「経理」「人事」全般の業務を行う部門で、現在部門長とSさんの2名で業務を行っています。
「この3つの業務って社内外ともに帳票・書類のやり取りが多い印象があるけど、在宅でできるの……?」と思われる方も少なくないのではないでしょうか?
在宅勤務の今、業務内容に変化はあったのでしょうか?また、どういった課題があるのでしょうか?
スタッフ部門のSさんにインタビューしてみたところ、どうやら経理の業務はClaris FileMaker をフル活用しているようです。
このシリーズは全5回でお送りしています。
第1弾:部下の管理や評価はどうしてる?社長は在宅勤務についてどう考える?
第2弾:在宅勤務で営業ってできるの?お客様とのやり取り・商談について
第4弾:たった2週間で在宅インフラを構築?!導入する際にまず最初に考えるべきことは?
第5弾:経理の業務はClaris FileMaker をフル活用 ←今回はここです
今回もインタビュー形式で、以下の内容についてお届けしたいと思います。
・Sさんの在宅環境
・現金精算
・勤怠管理
・販売管理・請求書発行
・総合的な仕事量の変化について
・気を付けていること・工夫していること
・改善したい点
―最初にSさんの在宅環境について教えてください。
4~6月は個人のノートPC1台で業務を行っていましたが、7月からは会社からPCとモニター2つを借り、会社とほとんど変わらない環境で業務を行うことができています。
データの照会作業が多いので、モニターが1つと2つとでは作業のしやすさが格段に変わり、この変化だけでも作業効率がアップしました!
―現金精算は今まで、紙伝票での提出、現金の手渡しでしたが、在宅勤務後はどういった仕組みになりましたか?
現金精算はスタッフの業務内容としてあまり変化はありません。
現金精算の方法はClaris FileMaker(以下FileMaker) の経費精算システムで各自伝票を作成し、プリントアウトして提出です。変わった点は以下の2つです。
①プリントアウトの方法が紙からPDFになったこと。
②精算方法は現金手渡しから、給料と合わせて振込みになったこと。
―勤怠管理の変化について聞かせてください。
以前は、「勤怠管理システム(FileMaker)」「打刻漏れ台帳(紙)」「時間外労働申請(紙)」の3つで管理していました。各自の出退勤時間はピットタッチと連携していて自動で入力される仕組みでした。
それが今はサイボウズのメッセージで1人1日1つに集約されています。
(出退勤・残業等の申請については第1弾にて詳しく紹介しています)
3つのデータを見比べて正しいデータを入力しないといけなかったものが、1カ所を見るだけで良くなったのはとても楽です。出退勤時間は手入力にはなりましたが、確認しないといけないデータが1つだけになったことのメリットはとても大きいです。
在宅勤務が始まる前から作成が進んでいる、「時間外労働の申請等に関する申請機能システム」が利用できるようになれば、さらに作業は減ることになると思います。
―請求書発行はスタッフとして一番大変な業務だと思います。詳しく教えていただけますか?
はい、請求書発行には臨時の発行と、月末の一括発行の2つの方法があります。
通常発行日の月末以外のタイミングで発行したい場合に臨時の発行を行います。
臨時の請求書発行についてですが、在宅前は「臨時発行台帳」という紙のもので申請を受けていました。それが、在宅勤務になった直後は「臨時発行台帳」に記載していた内容をサイボウズのメッセージで申請するという形になりました。この方法だと一連の流れが以下のようになります。
①コーディネーターさん(営業担当:以下Co.)がサイボウズにて申請&申込書をBoxフォルダに提出
②スタッフはサイボウズに記載された販売管理番号を見て、販売管理(FileMaker)で検索
③Boxフォルダに提出されたPDFの申込書と照らし合わせる
④社長に承認依頼(メッセージで依頼)
⑤スタッフが社長承認を確認後、請求書を発行しCo.に連絡
このようにワークフローが少し複雑になっていました。
現在はFileMaker の販売管理システムに臨時請求書確認と承認の機能が追加され、FileMaker 内で一連の作業ができるようになりました。
社内システム販売管理の「経理Menu」 に「臨時請求書確認」と「臨時請求書承認」ボタンが追加
以下のような流れに変わりました。
①Co.が販売管理システムで申込書を挿入し、申請する(申請日時がタイムスタンプで残る)
②スタッフが確認:販売管理システムで申請内容と挿入された申込書を照らし合わせて、問題なければ「承認依頼」ボタンを押す
③ボタンを押すと社長に承認依頼メールが飛び、社長が承認
④社長承認チェック☑が付き、請求書を発行
このようにCo.の申請から社長承認、請求書発行までの流れが全てFileMaker 内で完結するようになりました。
メッセージのやりとりがなくなっただけでなく、データが一か所に集約したので、伝達ミスや確認ミスも格段に減りました!
―オフィス関係のお仕事、いわゆる総務の仕事は在宅勤務時にはほとんどありませんか?
はい。印刷用紙、掃除用品、飲料水等のオフィスの備品の発注作業はほとんどなくなりました。
オフィスの整理といった業務も当たり前ですが、必要なくなりました。
―スタッフさんの総合的な仕事量の変化について聞かせてください。
今まで書類を見ながらの作業だった月次処理については、在宅勤務になった直後は、どの書類をPDF化して共有してもらわないと月次処理できないか などを把握していなかったため、作業が余計にかかってしまっていました。
ですが5月、6月、7月は必要な情報を把握できていたため各段に早くなりました。さらに7月からはノートPC1台での作業からモニター2つで作業ができるようになったことも大きいです!
前述通り、オフィス関係の仕事はほとんど必要なくなったので、総合的に見て仕事の量は減りつつあります。
―気を付けていること・工夫していることは何かありますか?
業務に使う資料は上司と常に共有するようにして、情報の行き違い、齟齬が起きないようにしています。
あとはCo.に確認作業の催促をする際の仕方を試行錯誤しています。オフィスにいる時には、顔を合わせることで以前お願いしていたことを思い出していただいたり、相手の状況を見て依頼方法を変えたり、場合によっては雰囲気を出して催促したりといったことができましたが、今はメッセージの文字のみで伝える必要があります。一度のメッセージで行動に移してもらえるよう、試行錯誤中です。
―まだ改善出来たらいいなと思う点は何ですか?
オフィスで保存している書類や会社に届く請求書は、上司が出勤した際、スキャンしてPDF化してもらっているのが現状です。もちろん先方の都合があるので、現時点では紙の請求書をなくすことはできないですが、いずれかデータのみでのやり取りになれば、上司の手間がなくなるので良いなと思います。
現在導入中のクラウドサインを請求書にも活用できるようになればいいですね。
―最後に一言お願いします!
茨城から通勤していたので、在宅勤務になって、ドアtoドアで往復6時間の通勤時間がなくなったことはものすごく大きな変化です!
今回のインタビュイー:スタッフ部門Sさん
<インタビューを終えて>
「FileMaker ってこんなに便利なんだ……!」と改めて再確認できたインタビューでした。
勤務形態に合わせて、システムを臨機応変に短期間で改修できるのは、FileMaker の強みだとつくづく思いました。特に販売管理や勤怠管理など、データ確認、照会作業が多くて正確なデータが求められるものは、できるだけ機械的にできるような仕組み作りが大切で、FileMaker を活用することでこのように実現ができることが分かりました。
「総務」「経理」「人事」全般すべての業務をよくスタッフ2人でこなされているな、と常日頃から思っていましたが、FileMaker で効率化できているからこそ成せる業務量なのかもしれません……!!
これまで全部門にインタビューをしましたが、在宅勤務になったことで一番仕事のやり方が変わり、業務が効率化した印象を受けたのはスタッフ部門でした。
自宅では難しいと思われる業務が、もしかしたら一番効率化の伸びしろがあるのかもしれません。
これにて在宅勤務内情調査ブログシリーズ完結です。
全5回すべて読んでくださった方(いたら嬉しいです)、ありがとうございました!
在宅勤務導入を検討中の経営者の方、またはその担当者の方の参考に少しでもなれば幸いです。