「サーバー監視」できていますか?【トラブル紹介:Admin Consoleが開けない】
2021年12月07日 11:26 AM
トラブル
みなさま、Claris FileMaker を使用している「サーバー」の管理は日頃どのように行っておりますでしょうか?
クラウドやオンプレミスなど利用環境は様々かと思いますが、
「普段から十分に管理できている!」と確信されている方はそれほど多くないのではないでしょうか?
サーバーの管理を怠ってしまうと、万が一のトラブルが発生した際に、
大切なデータやファイルを失ってしまう可能性がございます。
昨年、Claris FileMaker を使用しているサーバーについてお困りのお客様からご相談をいただきました。
本ブログでは
・どのように問題を解決したか
・問題を防ぐためにはどうすればよいか
この辺りについてご紹介したいと思います。
■基本情報
お客様情報
・旅行や航空会社の処理システムや各種ITソリューションを提供
・FileMaker システム導入部署:総務部
・FileMaker システムを使用した業務内容:契約管理や各種レポート作成・配信
・FileMaker システムの使用人数:30人ほど
環境情報
・FileMaker Server 10
・Windows Server 2008(オンプレミスにて利用)
■お問い合せ内容
背景
・新しいサーバーマシンの導入に伴い、FileMaker のバージョンアップを検討しました。
・しかし、旧サーバーでAdmin Console が開けないため、バックアップの設定ができず、
かなりの期間バックアップファイルをサーバーから安全に取得できない状態でした。
・他社に依頼されたそうですが、対応できる技術者が見つからず困っておられました。
→弊社にはインフラ専門の技術者がいるので、今回対応することができました。
課題
・Admin Console が開けない
今回の原因は?
おそらく、JavaとInternet Explorer のバージョンの問題と思われます。
[Javaのアップデータが適用されてしまい、アクセスができなくなった]もしくは、
[OSのアップデータが適用されブラウザのメジャーバージョンアップが適用された]
こちらが今回の原因と考えられます。
一般的に起こりうること?
あくまでも傾向となりますが、FileMaker 16 までは発生頻度が高めでした。
FileMaker の各バージョンがサポートしていない Java と Internet Explorer のバージョンを利用していた場合に発生することが多かったです。
(参考:https://support.claris.com/s/answerview?anum=13181&language=ja)
FileMaker Server 17 から新しいAdmin Console になったため、
FileMaker 17~19では同じ原因での問題は発生していないようです。
どういった対応をすることが多い?
通常ですと、問題となっている Java をアンインストールし、
サポートされているバージョンの Java へインストールし様子をみることが多いです。
今回はサーバー本体側にも問題を抱えており、再起動後サーバーにアクセスができなくなる恐れがあったため、
Java のアンインストールと再インストールの対応は行っておりません。
・バックアップが取得できない
今回の原因は?
定期的にとられているであろう、バックアップスケジュールもある時期を境に取得されなくなっており、
Admin Console もしくは FileMaker のバックアッププロセスの問題と考えましたが、
Admin Console を開けず設定・確認も行なう事ができず、はっきりしたことはわかっておりません。
どういった対応をすればよい?
管理者がバックアップを取得できているか定期的に監視することでこの問題は回避できます。
バックアップを取得できていない場合には早めに対処するようにしましょう。
■対応と結果
・旧サーバー調査を実施
調査項目
・Admin Console 以外でのデータ保全
・データ保全の実装方法
・スクリプトスケジュールの設定
・Claris FileMaker Server のDatabasesフォルダ外のファイル
・IIS やODBC 等の設定状況
・新サーバーへの Claris FileMaker Server 19のインストール
問題なくインストールすることができました。
・旧サーバーからファイルを取得
今回は「Admin Console を開けない」「バックアップを取得できない」、
これら2つの問題を直接的には解決できていません。
このような場合は、通常ですとサーバー全体のバックアップを取得した上で作業いたします。
ただし、バックアップソフト選定・購入・設定・テスト含め 1ヶ月ほどかかってしまいます。
また、コストも発生します。
今回は納期の優先度が高かったため、サーバー全体のバックアップではなく、
利用しているファイルのみを Admin Console が使えないためファイルが開いた状態で強制的に取得しました。
今回はあくまでもイレギュラーな対応であり、ファイル破損、データ破損のリスクが高いため、
本来はこちらの方法はお勧めしておりません。
ファイル取得後は、弊社のシステム開発担当者が調査し、ファイル破損がないことを確認しています。
データについては、お客様に納品後に操作していただき破損がないことをご確認いただきました。
・バージョンアップによるファイル側の不具合の修正
バージョンアップによりファイル側にいくつか不具合がありましたが、修正作業を行い問題なく動作するようになりました。
今後はシステム保守契約でサポートしていく予定です。
いかがでしたでしょうか?
日頃からサーバー監視を行うことで大切なデータやシステムを守ることができます。
バックアップを取得しないことのリスクとして
「ファイルやデータが壊れた際に復旧できない」が挙げられるかと思います。
ファイルの復旧が難しい場合、業務停止やコンプライアンス違反、証拠保全等の問題があります。
以下のポイントでサーバー監視を実施することで、障害発生前に対応を行うことや、
障害発生してもすぐに対応ができるよう準備をすることができます。
・バックアップスケジュールは動作しているか?
・バックアップスケジュールは正常に終了しているか?
・世代数は十分に取れているか?
・取得したバックアップファイルが壊れていないか?
「サーバー監視」には様々な種類があり、それぞれを実施することで上記ポイントを網羅することができます。
・死活監視 …対象が動作しているかどうか外部から定期的かつ継続的に調べること。
・ハードウェア監視 …ネットワークを構成するハードウェア機器のステータスを調べること。
・パフォーマンス監視 …サーバーの状態を確認し、必要に応じて最適化していくこと。
・アプリケーション監視 …サーバー上のアプリケーションに対し、障害状況・稼働状況・性能を調べること。
今回はClaris FileMaker Server の管理者がおらず、
監視も行っていなかったために起こってしまったトラブルでした。
「サーバー監視の方法がわからない」
「Admin Console が開けなくて困っている」
「きちんとバックアップが取れているか不安」
もし上記のような場合は、お気軽にご相談ください。
イエスウィキャンでは Claris FileMaker に関することでしたら、
可能な限りお手伝いさせていただきます!
本ブログを最後までご覧いただき誠にありがとうございました。