事例:社内のやり取りを紙からデジタルに ~行き違いをなくすための情報一元管理 【エスディーエムコンサルティング株式会社様】

2022年05月11日 12:00 PM

導入事例


エスディーエムコンサルティング株式会社様(以下、SDM様)は設立から50年以上にわたり、
マーケティングのトータルサポーターとして、DMの発送代行やデータ入力サービスなど
ダイレクトマーケティングに関するさまざまなサービスを提供しています。

(エスディーエムコンサルティング株式会社様公式サイトはこちら

 

メイン業務であるDM発送代行業では複数部門が紙の作業指示書を元に作業を進めていました。
電話やメールなどアナログでのやり取りによって起こりうる部門間での連携ミスを危険視し、
Claris FileMaker(以下、FileMaker )でシステム化を進めることになりました。

作業指示書のデジタル化を皮切りに、作業の進捗管理や発送現場でのバーコード読み取りなどiPadを活用した業務改善も実現しました。

 

紙の作業指示書を使った部門連携には限界が

メイン業務であるDM発送は、主に以下のような流れで作業が進行します。

  1. お客様から注文が入る
  2. 営業担当者:制作担当者向けに作業指示書を作成
  3. 製作担当者:作業指示書を元に封入物を作成
  4. 発送担当者:作業指示書を元に封入物を梱包し発送

ただし、常に当初の注文通りに仕事が進むというわけではなく、作業指示書が作成された後にお客様から連絡が入り
“発注数量や封入物が変更になる”ということも少なくありませんでした。

変更があった際は、営業担当者から各担当者に電話やメールで情報を共有していましたが、
連絡漏れや、メールの見落としなど、変更点が後の工程に伝わらないまま作業が進むことや
出荷停止の指示が伝わっておらず出荷されてしまうというような危険性が常にありました。

 

そんなある日、小さな連携不足により大きな作業ミスが発生してしまいます。
人の力に頼る管理に限界を感じ、何とかできないかと対策を検討することにしました。

 

FileMakerをもっと有効活用できるはず

SDM様では以前から見積書や発注書など書類の作成にFileMakerを活用していました。
ただし、それはデータベース化されておらず、あくまでも個々人が自分のPCの中だけで利用するワープロ程度の利用方法でした。

メイン担当者の阪東様は、FileMakerの活用方法やその可能性をご存知で
「自社のFileMakerも本来もっと有効に活用できるはず」との思いがあり、
以前Claris社のイベントに参加した際に知った弊社へ、今回お声がけいただきました。

 

紙の作業指示書のデジタル化からスタート

最初に着手したのが、DM発送業の部門間でのやり取りに使っていた紙の作業指示書のデジタル化です。

営業担当者がFileMaker上で作成した作業指示書のデータはFileMaker Server で一元管理できるようにしました。
お客様から変更の連絡をもらった営業担当者がFileMaker上でデータを変更すれば、
データベースにもタイムリーに反映されるため、電話やメールでやり取りをしていた時のように、
あとの工程に変更が伝わらないということがなくなりました。

また、変更を見落とさない工夫として、変更情報一覧画面では未確認の行に色がつき、
「未確認」と表示されるようになっていますので、現場では大型ディスプレイを見ながら
朝と夜に変更箇所の見落としがないか、作業者全員で確認するのが習慣となりました。


大型ディスプレイに映し出される変更情報一覧画面

 

DM発送に使う素材データの管理も簡易化

以前は担当者が案件ごとにフォルダを作成して、そこに制作で利用する素材データを手作業で保存していましたが、
素材の内容を確認するためには該当フォルダを探し、さらにその中の深い階層構造をたどる手間がありました。
しかし現在は封入物明細のレコードを追加すれば、自動的にその封入物の画像と納品書画像を入れる欄が作成されるので、
ユーザーはそこにデータを登録すればよいようになっています。

また、画像を確認するための閲覧ボタンがありますので、拡大して見るということもできます。
PDFはインタラクティブ設定しているので、フィールド上に表示され、
さらに閲覧ボタンをクリックすることで大きな画面で確認することもできます。

共有サーバーに案件コードごとにフォルダを自動的に作成する機能もあるので、
ユーザーがそれぞれフォルダを作成する、という手間も無くなっています。

 

iPadを活用し、出荷現場の作業効率もアップ

出荷作業を行う現場では、案件ごとにどのぐらい作業に時間がかかっているのか分からないことが問題でした。
「誰がいつ何時間作業をしたのか」をiPadで簡単に入力できる「作業時間管理表」をFileMakerで作成し、
案件ごとの作業時間をデータ化できるようにしました。
これにより作業の見直しと効率化が図れるようになりました。

他にも現場からの意見で実装した機能として、出荷用の段ボールに貼られたQRコードをiPhoneで読み取ると、
その案件の詳細が確認できる仕組みなど、シンプルではありますが非常に役立つ機能を実装しています。


作業時間管理表

 


出荷用の段ボールに貼られたQRコードをiPhoneで読み取る

 

今後について

今後、実装したい機能として、売上分析や集計機能があります。
SDM様には「システム修正作業付き保守契約※」を結んでいただいておりますので月ごとにお打合せをおこない、
都度必要な機能を実装してより使い勝手の良いシステムに育てていきたいと思います。

※毎月の作業時間を設定し、その作業時間でシステムの改修作業を行う保守サービスです。