FileMaker Serverで公開する共有ファイルが開けない、表示されない


弊社が提供するFileMakerServer専用のホスティングサービスYFMcloudをご利用の方から

 

「共有ファイルが開けない、表示されない。」

 

というお問合せを頂きました。

対象のFileMakerServerへは弊社から問題無く開ける事が出来ております。

まずはPC固有の問題と考え、以下のトラブルシューティングを行いました。

 

・Windowsファイヤーウォールの確認

・ウイルス対策ソフトの無効化

・[server.pem]ファイルを正常なファイルで上書き

(//ywc.com/filemaker/?p=118)

・ルーターのポート設定確認

・社内ネットワークからモバイルWi-fiへ切替え

・FileMakerProの再インストール

 

これら全ての作業を行っても復旧には至りませんでした。

(「共有ファイルが開けない、表示されない。」という様な不具合の場合は

まずは上記の設定確認、作業を行う事で原因の特定に繋がる事がほとんどです。)

 

 

さらに検証を進めた結果、原因が判明致しました。

以下の状況で現象が再現致します。

 

・利用PCのユーザーアカウント名に日本語(マルチバイト文字)が使われている。

Pic6

 

・FileMakerServerで「保護された接続が必要」にチェックが入っている。

Pic5

 

この2つの条件が重なると、現象が発生いたします。

日本語名を利用したアカウントで「共有ファイルを開く」ウィンドウを確認すると、

「保護された接続が必要」にチェックが入っているサーバーを指定した場合、

 

Pic1

 

図の様に「使用できるファイル」欄にファイル名が表示されません。

 

「保護された接続が必要」にチェックが入っていないサーバーを指定した場合、

Pic2

データ―ベースというファイルが使用できます。

[共有ファイルを開く]ウィンドウに表示がされないだけで、直接ファイルを開く事は可能なのでは?

と思い、ネットワークファイルパス欄に直接パスを指定して見ました。

 

Pic3

パスを入力して「開く」をクリックすると、

Pic4

 

こちらのダイアログが表示されてしまいます。

ファイルが表示されないだけではなく、開く事も出来ませんでした。

 

 

この現象が発生する原因は上記の検証でも確認をした[server.pem]が原因でした。

 

この[server.pem]ですが、FileMaker Proで使用するSSLの証明書ファイルで、FileMaker Proのインストール時に自動的に生成されます。

FileMakerPro12以降この[server.pem]はWindowsのユーザーフォルダ内に自動的に生成される仕様に変更されました。

ユーザーアカウント名が日本語の場合は、[server.pem]ファイルのフルパスに日本語が含まれてしまう事になります。

その結果、SSL通信が確立出来ない為、共有ファイルを開けなくなるという現象でした。

 

 

Windows8からはMicrosoftアカウントを利用してPCのユーザーアカウントの生成が可能になりました。

その為、Microsoftアカウントを日本語名で登録している場合は意図せず上記の状況となる場合がございます。