FileMaker Pro 15 の新機能「ポップアップメニューの『値一覧でデータ書式を上書き』オプション」
2016年05月17日 11:00 AM
FileMaker 16以前
今回は、FileMaker Pro 15の新機能の「ポップアップメニューの『値一覧でデータ書式を上書き』オプション」についてご紹介します。
この新機能は、FileMaker Pro 15の目玉ではない小さな動作変更といえるかもしれませんが、今までできなかった表現を可能にします。
■ドロップダウンリストとポップアップメニューについて
新機能の解説の前に、ドロップダウンリストとポップアップメニューについて振り返りましょう。
<ドロップダウンリスト>
ドロップダウンリストとは、フィールドにカーソルを入れた際に、値一覧をドロップダウンで表示するオプションです。
図1
図1の例は、ドロップダウンリストで、「部署CD」フィールドにIDを設定し、「部署」フィールドに部署名をルックアップしています。
ドロップダウンリストは、値一覧以外の値も設定できることが特徴です。
<ポップアップメニュー>
ポップアップメニューは、フィールドを選択すると同じく値一覧に設定したメニューが表示されますが、表示された選択肢以外は選択出来ません。
図2:選択肢の表示
図3:選択後の表示
図2, 3は、ポップアップメニューで、「部署CD」フィールドにIDを設定しています。ドロップダウンリストでは、選択肢から選択した後は、部署CDのみ表示されていますが、ポップアップメニューでは、選択した選択肢がそのまま表示されています。
<値一覧>
今回スクリーンショットで使用した値一覧は、「部署CD」と「部署名」の2つのフィールドを使用しています。
図4
図5
図5のような値一覧を使用した場合、値が設定されるのは、あくまで1つめのフィールド(例:図5の「部署CD」)で、2つめのフィールド(例:図5の「部署名」)は、入力補助として表示しているのみです。
■新機能:ポップアップメニューの『値一覧でデータ書式を上書き』オプション
さて新機能の話です。
このオプションがどこにあるのかを確認してみましょう。
それはインスペクターのデータタブにある、『値一覧でデータ書式を上書き』のチェックです(図6)。
図6
このチェックを入れると、選択肢から選択した後は、2つめのフィールドの値も表示します。
図7:選択肢(値一覧でデータ書式を上書きオプションのチェックあり)
図8:選択後(値一覧でデータ書式を上書きオプションのチェックあり)
図7, 8は、さきほどのポップアップメニューの説明と同じ動作です。
このチェックを外すとどうなるかというと、選択後は1つめのフィールドのみ表示されます(図10)。
図9:選択肢(値一覧でデータ書式を上書きオプションのチェックなし)
図10:選択後(値一覧でデータ書式を上書きオプションのチェックなし)
今までと違うところは、この「値一覧でデータ書式を上書き」オプションのチェックを外すと、ドロップダウンリストと同じ動作になります。ドロップダウンリストのように、選択肢は、値一覧で設定した2つめのフィールドも表示しますが、選択後は、値一覧の1つめのフィールドのみ表示します。
違う点はなにかというと、ドロップダウンリストは選択肢以外の入力ができますが、ポップアップメニューはできないという点です。
まとめますと、FileMaker Pro 15では、図11, 12のように、「部署CD」フィールドをポップアップメニューで表示し、 選択後は部署CDの値のみ表示されて、「部署名」フィールド(ルックアップ)を横に配置するような表現が可能になります。
図11:選択肢
図12:選択後
ちょっとした違いですが、選択肢以外は入力させたくないが、部署CDと部署名のように、枠をきちんと分けて配置したい、などのような場合には役立つかもしれませんね。