FileMaker Pro 18 Advanced の新機能【データインポート】
2019年06月05日 10:00 AM
FileMaker 18
FileMaker Pro 18 Advancedで新しくなった「データのインポート」ついてご紹介したいと思います。
下記の4点が「データのインポート」の新しい機能とされています。
- ソースファイル内の特定のレコードをフィールド名として使用
- 検索可能な一覧からターゲットフィールドを選択
- フィールドごとにインポート中の入力値の自動化オプションの実行を選択
- フィールド値の区切りにカスタム文字を使用しているデータをインポート
上記の新機能も気になるところでありますが、まず新しさとして真っ先に目に留まるのは、インポート画面のグラフィックではないでしょうか。
ちなみにこちらはVer.17のUI画面です。。。
今回はこの新しくなったグラフィックとあわせながら新機能のご紹介をさせていただきます。
データのインポートを行うための基本的な流れは変わらないですが、見た目がかなりわかりやすくなったように思います。実際に操作しながら、どんな変化があるのか試してみたいと思います。
下記顧客情報のエクセルファイルを指定してFileMakerに取り込んでみましょう。
FileMakerでメニューバー→「ファイル」→「レコードのインポート」→「ファイル」 を選びインポートしたいファイルを指定します。(データはダミーです。)
ファイルを指定すると下記の画面が表示されました。 とうとう新UIのお目見えです。かわいい?緑色に一気にテンションがあがります!
垢ぬけた!?感じがしますね。以前に比べると可愛らしくなったように思います。「インポート」の緑色に心がトキメキます。でははやる気持ちを押さえ画面を詳しく見てみましょう。
まず上部には取り込むソースと取込み先が明示されています。より視覚的になっています。ここで取込み先のテーブルを指定しましょう。今回は既存のテーブルではなく、新規のテーブルを作成し取り込むことにします。ターゲットとなっている現在のテーブルを∨を押して新規テーブル「顧客情報」に変更します。
次に上部左側にあるこの◀▶ボタンを操作します。これは取り込むエクセルファイルのデータの確認や行を変更するボタンになります。押すたびに取り込むエクセルファイルの行が2行目、3行目、・・・と変化していくのがわかると思います。ちなみに2/14、3/14と画面に表示されていますが、これは「対象行/全行数」の表示となっています。
ここで新機能①「ソースファイル内の特定のレコードをフィールド名として使用」の出番です。
今回取り込む顧客情報のエクセルファイルの場合、1行目は無視、2行目をフィールド名にしたいので、▶を1回押して2行目を示させます。次に「データ ∨」をクリックして「フィールド名として使用」を選択してください。ちなみに1行目は自動で「除外」が設定されます。
3行目からはデータとして取り込むため、▶を押して3行目を表示させると、自動で「データ」が設定されます。
ここが新機能ポイントですが、旧バージョンは1行目のみフィールド名に選択できましたが、FileMaker Pro 18 Advancedでは任意の行をフィールド名に選択できるようになっています。また旧バージョン同様フィールドごとに取り込む、取り込まないを自由に指定できます。では実際に取込み先フィールドとのマッピングを行っていきましょう。画面中部の右側には取り込み先となるフィールド名が表示されていますので取り込むデータと取り込み先をマッピングさせてみましょう。
現在、取り込むデータのフィールドは「住所」が表示されていて、取込み先のフィールド名は「空白」となっていますので取込み先の住所フィールドとマッピングさせたいと思います。
フィールド名の右側にある「∨」をクリックするとフィールドの一覧が表示されますので、そこから住所を選びます。ここで新機能②の「検索可能な一覧からターゲットフィールドを選択」の出番です。もし取込み先のフィールドが一覧からすぐに見つからない場合、検索が可能となりました。大量にフィールドがある場合や同じような名前のフィールドがある場合など、とっても便利に使えるようになったのではないでしょうか。
そして以下がマッピング完了した状態になります。
違いを簡単に文章にすると、旧バージョンでは、右側にフィールドが並んでいてマウスで操作ドラッグ&ドロップするといった操作でしたが、FileMaker Pro 18 Advancedではターゲットフィールドをクリック→検索窓とフィールドの一覧がでる→検索すると検索した文字列を含んだフィールドが抽出されて選択できるようになった、ということでしょうか。
またフィールドごとのインポートする、しないの設定は緑色の「インポート」ボタンをクリックして選択できます。
次に取り込み方の指定、「追加」、「更新」、「置換」の指定方法をご紹介します。
画面上部にあるソースとターゲットを結ぶ矢印(→)をクリックすると下図の画面が表示されます。
ここで選択し、ウィンドウの外をクリックすると、設定が記憶され「インポート」実行時に適応されます。
次は、新機能③「フィールドごとにインポート中の入力値の自動化オプションの実行を選択」をご紹介します。
ここはインポート中のフィールドに対する自動化オプションを実行する設定を行います。フィールドに自動化オプションが設定されている場合、ターゲットフィールドの右側にオレンジ色のディアアイコンが表示されます。ここをクリックすると自動化を実行する設定が可能です。このオレンジ色のディアアイコンは個別設定が可能となっており、画面下部にある灰色のディアアイコンからはこのテーブルに対して自動化オプションが設定されている全フィールドに一括設定が可能となっています。このようにFileMaker Pro 18 Advancedでは旧バージョンと同様全て自動化オプションを実行する、しないの設定のほかにフィールド毎に設定ができるようになりました。
また、一括設定の設定状況により「インポート中にフィールドに対して入力値の自動化オプションを実行」のチェックが以下のように表示されます。
- 全てにチェックされていると、チェックマーク「✔」になる
- いずれかにチェックされていると「■」になる
- 全てのチェックが外れているとチェックが空欄「 」になる。
逆に「インポート中にフィールドに対して入力値の自動化オプションを実行」のチェックをつけると一覧表示されているフィールドに対して全チェックをつけることもできます。
では、インポートを実行してみたいと思います。画面下部にある「インポート」をクリックします。さくっと終わって下記のダイアログが表示され結果が確認できました。
今回は新規テーブルに取り込む方法をご紹介しました。既存テーブルに取り込む場合ですが、最初にターゲットを指定する際、既存のテーブルを指定すれば手順は同じとなりますのでお試しください。
ちなみに新機能④「フィールド値の区切りにカスタム文字を使用しているデータをインポート」ではフィールド区切り文字を任意に指定できるようになりました。今までは取り込むファイルの区切り文字にタブ、コンマ、セミコロン、空白という規定がありましたね。それ以外の文字が区切り文字に使われたファイルはうまく取り込めないためあらかじめ編集する必要がありました。しかしどうでしょう!新バージョンからは任意の文字が指定できるようになったのです。例えば「;」で区切られた顧客情報.csvというファイルを取り込む場合を見てみましょう。
区切り文字を指定する前は取り込むデータが1項目として表示されおかしなことになっています。では画面下部の「ソースファイルのフィールド区切り文字(F)」の「その他」に「;」を指定してみましょう。
「;」を指定するとデータが正しく認識されました。このまま取り込めば大丈夫ですね。
このような感じで新しくなったインポートですが、新規開発者はもちろんベテラン開発者にとっても直観的でわかりやすく、便利になったのではないでしょうか。
以上で新機能「データのインポート」のご紹介を終わります。読んでいただいてどうもありがとうございました!